腰の仕組み
腰の骨は普通5つあり、それぞれの間に椎間板という
軟骨がありクッションの役目をしています。
このすぐ後ろに神経が走っていて、
上下の骨は互いに靭帯と呼ばれる線維の束で結び合わされ、
動き過ぎないようになっています。
脊柱を支え、かつ動かすのが筋肉の役目です。
特に腰の骨と骨盤のつなぎ目が力学的に無理の起こりやすい部分です。
腰痛の原因は?
- 過度の緊張によるもの
筋膜、靭帯、椎間板などに過度の緊張が加わると、骨に異常がなくても腰の痛みを起こします。
悪い姿勢、太りすぎ、弱い筋肉、無理な運動、過重な労働などが原因となり、非常に多いものです。これが慢性化した状態を腰痛症といいます。
時には、重いものを持ち上げたり腰をひねったりした時に、突然激しい痛みを生じますが、
これは靭帯、あるいは椎間板の一部に小さな傷を生じるためです。(ギックリ腰)
- 椎間板に原因のあるもの
椎間板は20歳を過ぎると、徐々に水分と弾力性を失いストレスに抵抗しにくくなってきます。
その周辺部分にヒビが生じ、そこから内部のやわらかい部分(髄核)が外へはみ出して、
神経を圧迫すると腰や下肢の痛みを起こします。
これが椎間板ヘルニアで、20~30歳代の人にもっとも多く見られます。
また、ヘルニアを起こさなくても年齢が進むにつれて椎間板変性症という状態になります。
変性とはくたびれた状態という意味でヘルニアほどひどくはないがそれに似た症状を示します。
- 骨の構造に異常があるもの
骨の構造の異常としては脊椎分離症、脊椎すべり症、
その他さまざまな生まれつきの異常があり、痛みの原因になることがあります。
脊椎分離症は、骨の連絡が途切れ線維性の組織でつながっている状態で、
腰椎の5番または4番目に見られます。
分離症だけでは必ずしも腰痛を起こしませんが、
一部の人は骨のずれを起こし脊椎すべり症になるものと思われます。
すべり症の症状は、主として慢性の腰痛ですが時として下肢に放散する痛みや痺れが生じます。
- その他
カリエスや骨髄炎やガンなど色々なものが腰痛の原因となりますが、
これらの病気の有無を確かめるために、
エックス線や血液検査やMRIなど欠かすことができないのです。
一方年をとったりホルモンの失調が起こると、
骨全体がもろくなって僅かの外力が加わっただけでも、痛んだりずれたりします。
これを骨粗しょう症といい、男性より女性に圧倒的に多く見られます。
腰痛の治療法は?
ほとんどの腰の痛みにとって治療の原則は共通しています。
すなわち腰を無理な負担から開放してやることです。
急性の激しい痛みに対しては安静臥床が最善の治療です。
一番楽な格好を見つけ、固めの寝床で数日間寝ること。これで痛みが治まるのが普通です。薬を使うことも有りますが、これはあくまでも補助的な手段に過ぎません。
慢性の腰痛に対しては、いつも正しい姿勢をとり、腰に負担のかかる動作をさけるように注意しましょう。
中腰は最も痛みを起こしやすい姿勢です。床から物を持ち上げる時は、腰を曲げず膝を曲げるようにしましょう。
やわらかすぎる寝床は腰が疲労してしまうので避けるようにしましょう。
このような注意をしても痛みが取れないときはサラシやコルセットなどをつけ、正しい姿勢で腰をしばらく固定します。
温めることは痛みを和らげ血液の循環を良くし、筋肉の緊張をほぐす作用があるので入浴がとりわけ有効です。温めてから軽くマッサージをするのも良いでしょう。超音波や電気療法も有効です。
腰痛体操などを無理せずやるのも良いでしょう。
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